2011年08月23日
震災後「進行プロジェクトから未来の一歩」
震災から5ヶ月が過ぎてもまだまだ余震は多く、市内には放射線量の高いホットスポットも多い中、復興あるいは新規に計画するなど様々な計画案が浮上しつつあります。
私どもの事務所でも震災後計画が止まったままの案件が再開されるなどにわかに忙しくなり
設計物件は多岐にわたります。
最近の進行物件は住宅あるいはクリニックなども含め、省エネや環境に配慮し、太陽光発電が
必要不可欠となりつつあります、もとより屋根勾配を工夫するなどして対処してきましたが、
物件のほとんどが太陽光発電を組み込んだ計画が普通になりつつあります。
50年あるいは100年後の世界から現在を見てみれば技術やデザインもまだまだで
相当陳腐に写るかも知れませんが確実に一歩づつ未来を創り始めています。

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未来は夢と希望に満ちていると思います。
100年前とはくらべようも無く、大多数が自らの意思で正しく考え行動し確実に未来の一歩をあゆみ始めているように感じています。
なぜなら真剣に考え行動する人々が震災後増えてきているように私には思えるからです。

参考図面は1階が和室を含むワンルーム構成で2階は比較的自由にレイアウトできると思います
今回のお施主様は家族三人のためこの基本プランからさらに細部を練り込み10月上棟に向け
実施設計をまとめています。

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身近な環境のために出来る事(緑を増やしましょう
模型の木は実際相当大きな木で以前からあったものです、木々を剪定し綺麗な枝ぶりが室内から見えるよう、木々が日光をさえぎりグリーンソーラーとして機能するよう樹木を積極的に利用したら快適と思います。(事務所の木は5年で木陰もでき緑に癒されます)



平面・立面図.pdf (191KB)

 
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2011年08月12日
震災対応改築事例「全壊の家」
すでにリタイアした夫婦の住まいを改築計画中に今回の大震災に遭遇しました。
検査の結果は”全壊”・・・失望した夫婦。
しかし私が独自に調査したところ損壊した部分は以前増築をした部分に限定されており、その基礎が安易なブロックで施工されていたため、今回の地震に耐える事が出来ずダメージを受けた事が判明しました。
それ以外でも相当の被害はでましたが、築40年近い当時の施工では十分な筋違いもなく南側に開口部分が集中しているため外壁や屋根の破損はしましたが、構造耐力をバランスよく配置し是正する事で解体する事なく改築できた事例です。

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東側のキッチンに続く和室が当時のLDKで、北西の寒い位置に6帖の狭い寝室がありました。
使用している部屋の大半はこの2間だけでしたので、1階部分の全ての部屋を見直しつかえるようにすることでゆったりしたLDK+寝室が計画できました。
寝室は朝日が入り自然のリズムで寝起きが出来、既存の和室(住まいのイメージを少し残し)を少しリデザインして新しいLDKと一緒にする事で部屋全部を使い切る構成を計画し、広々としたストレスフリーの空間ができました。
サッシや断熱材を入れ替え又フロアーは30mmの無垢材を使い冬暖かくなるように性能面にも考慮した住まいとなりました。

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全体の壁を増やし耐力を確保し又室内が明るくなるよう、サッシ高さを大きくし熱対策としてグリーンサッシを採用しています。
南側にあった玄関は南東に移動する事で既存のプランのような生活を分断する事もなく、和室からLDKを一体化し生活の多様化に対応しています。
2階部分は既存平面のまま全面リフォームし、ほぼ新築同様に仕上げました。
玄関位置の変更により十分なスペースをとる事が出来なかった駐車スペースも現在は3台〜4台確保できました。
















 
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2011年08月04日
逃避行「フランスの田舎町に想う」

少し早い逃避行・・・行き先は何とか取れた格安航空券を利用してのパリ行き。
ネットを検索しホテルを予約、グーグルを利用し場所を確認、
携帯端末があれば迷うことなく出歩ける・・・本当にすごい時代です。
     ”がんばろう福島”・・・それでもどこか素直になれないのは・・・
恐怖の大王が空から降りてくる(だいぶ前そんな言葉がありましたね)・・・
これは放射能汚染の事だったのかしら・・・
生涯放射線量100ミリシーベルト、県内の中通りあたりでは10年程度で超えてしまう値です。
ロシアでは年間放射線量が5ミリシーベルトなら居住禁止区域、すでに郡山は超えている現実。
憂鬱にもなるし落ち込みますが・・・いずれ覚悟を決めなければとの小旅行でした。
第一原発では毎日が生死をかけた作業・・・いまは祈る事しか出来ません。
パリや田舎の大聖堂を訪ねては祈りました・・・世界的な災害の多様化と巨大化・・・
人間活動による温暖化がその背後にあるのなら、
飛行機からみえる高度1万メートルの世界は地球が少し丸く小さく感じられ、
たった一つの宝石のように太陽の光に反射し綺麗でした。
地球を共有の財産として認識し大切に想う
そんな意識はすでにだれにでもあると思いますが、国家を超えて必要な時代になりつつある
良い機会のような気がします。
旅先での小さな手帳につづったスケッチ、
写真と違い細部のデテールや構成までもが良く頭に入ります。


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プラス思考の情熱はモンサンミッシェルの奇跡を造りだした。
きっとあと少しのところまで人類は進歩しているように感じます、
夏が終わりかけているこの季節は涼しく木々は少し色づき、海辺の風もさらりとして心地良く
・・・今生きている現実を大切にそれでも前に進もう・・・
そんな想いの短い逃避行でした。

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母子像を見ると想うのは「生命と愛情のシンボルかなーと感じています。

 
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